人間関係は医療職の中で最も辞めたいと感じる理由ですが、次いでサービス残業が辞めたいと感じる理由となっています。サービス残業は、残業しているもののその残業代が出ないというものなので精神的にかなり追い込まれます。残業代がしっかりと出るならモチベーションにもつながりますが、そういったものもないためただ疲労が重なってしまいます。医療職のサービス残業の実態を知っていきます。
医療職に勤める医師や看護師はサービス残業が常態化していることが問題視されているものの、その現状が常識になってしまっている一面があります。調査では始業前から既に仕事を始めていると回答した人の7割以上は、時間外労働としての請求をしないと答えたそうです。始業前から仕事の準備としてカルテや看護記録などの準備、患者さんの状態チェックなどを行いますが、これらは立派な早出残業となります。しかし、このような仕事の準備はして当たり前という雰囲気から、誰も申請することなく働いてしまっています。
この時間外労働の他にも、就業時間外や自宅などで業務手順やマニュアルの作成といった仕事をしている実態があるそうです。これは自己成長のための時間として残業として請求することがありません。そして当直中に関しては、仮眠中でも医師の呼び出しに応えなければならないため、仮眠の間も労働時間に含められます。しかし、実際には仮眠の時間などは労働時間外として取り扱われることが多く、当直時間帯は全てサービス残業となっている実態があります。
これらのサービス残業に関して、ただでさえ生活リズムを保つことが難しい不規則な生活をしている看護師や医師は、より過酷な職場環境となってしまっています。このようなサービス残業の存在が退職の理由につながっています。
医師や看護師と同様に、介護士もサービス残業がとても多く存在しています。それらは様々な名目で残業に当たらないと位置付けられています。これには委員会活動と介護記録といったものがあります。
委員会活動は職員同士がまとまるように所属する委員会の活動ですが、実際には利用者につきっきりの介護士は業務時間中に委員会活動の時間を割くことはできません。そして介護記録として全ての利用者さんの記録を残す必要があります。しかし、これも勤務中に全ての記録をつけることは事実上不可能に近いです。勤務後に当たり前のように委員会活動で拘束され、記録をつけるために勤務後に仕事をしています。しかし、これらは全て業務ですので本来であれば残業として申請されるものですが、これらも勤務時間外にやるものとして認識されてしまうことが多いためになかなか請求することができません。このような理由からサービス残業がつらいことが退職の理由になることは少なくありません。
医療業界の市場の特徴には人手不足があります。その特徴からどのような職種も基本的に求職者に有利な市場といえますが、選べるからこそ自分が理想とする職場を明確にしましょう。
詳細はこちら